★麻布大学病理学研究室では、
「両生類の新興感染症」を研究テーマの1つとしています。
この度、ラナウイルスの国内分布を調査することになりました。
この調査では、ヌマガエルをモニター動物としています。
ヌマガエルを採取していただける方を探しています。
採取の要領は以下のとおりです。よろしくご協力のほどお願いいたします。
ラナウイルスは、世界各地で両生類に大量死を引き起こしているウイルスで、国内では2008年に本邦初のラナウイルス感染症が発見された(Une2009, Emeg. Infect. Dis)。その後、野生下では、ウシガエル幼生の大量死事例が7事例、飼育下両生類では、カスミサンショウウオ、ハクバサンショウウオ、イボイモリ、ヤドクガエルで集団死が確認されている。しかし、これらのウイルスの起源(国外からの侵入種あるいは土着か)については、明らかにされていない。また、2011年からカエル探偵団有志の協力を得て行ったヌマガエル調査では、2011年~2013年にラナウイルスの陽性率が急上昇した。
研究目的:国内におけるラナウイルスの分布とその起源を明らかにすること
陽性率上昇の機序を明らかにすること
研究協力依頼の内容 「ヌマガエルの採取」
1.ヌマガエル (大きさ、性別、年齢不問)
2.採取時期 年1回 9月下旬から11月上旬 ベストシーズン10月(秋)
3.最大で30匹 (1匹でも良い)
4.採取地:任意の場所 1ヶ所(採取場所GPS情報あるいは地図を添付ください)
5.生きたまま(輸送方法を下記に記載)
6.着払い、通常宅配便(冷凍・冷蔵はしない。)
7.送付先 (到着日 日曜日を除く)252-5201 神奈川県相模原市中央区淵野辺1-17-71
麻布大学獣医学部病理学研究室 宇根有美 042-769-1628 une@azabu-u.ac.jp8.梱包方法
容器:牛乳パック、百均タッパ、デリカップ、ペットボトル、ビニール袋など
湿度:上記の容器に水コケ、濡れた紙タオル、水草、濡れた草などを入れて、湿気を保つ。
水自体を入れると溺死する、また、輸送中での漏水の原因になる。上記の容器のうち、ビニール袋を除いて、小さな空気穴を数個開けて、窒息と蒸れを防ぐ。このような容器を発泡スチロール製の箱に入れて、周囲に小さな保冷剤を入れる。発泡スチロールにも、数個の空気穴を入れる。20℃以下であれば、段ボール箱で通常宅配便でも可。
ビニール袋の場合は、観賞魚の輸送時のように大量の空気を入れ、風船のようにして、送付する。
9.ヌマガエル情報
http://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/40090.html
分布:本州中部以西・四国・九州と一部の島嶼(平戸,天草など),奄美諸島(与論島を除くほぼ全域),沖縄諸島(一部の島嶼を除く),台湾(西半部),大陸中国中~北部
しかし、近年、生息域を広げている国内移入種
生息地:水田に大きく依存した種であり,高密度に生息し,繁殖期には大声で鳴くため存在は確認しやすい.雌の方が大きい。最大で成人の拇指頭大。背中の皮膚に小突起がある。地域によっては背中に1本頭部から尻にかけて線が入る。比較的乾燥に強い。